白樺のチカラ シリーズ
2013年12月24日
「腸の元気」「体の元気」を取り戻す
長い間、腸の主なはたらきは「消化・吸収・排泄」の3つであると考えられてきました。しかし近年、腸がじつは免疫器官として大きな役割を果たしていることがわかってきたのです。いまや腸管免疫は、人体最大の免疫システムであるといわれます。その証として、たとえば私たちの体内では、免疫グロブリン(IGAなど)というたんぱく質が1日あたり8グラムつくられるのですが、その7割までが腸管で産生されることがわかっています。それほどまでに免疫機能が集中しているのは、腸という器官の特殊性と無関係ではありません。ですから健康維持のうえで、腸が高い免疫力を備えて外敵から身を守り、腸粘膜の恒常性を保つことは非常に重要なのです。また、独立性の強さも、腸の大きな特徴といえるでしょう。全身の免疫の中枢を担う臓器といえば、胸骨のうしろにある胸腺ですが、腸は免疫系の中枢からの指示は受け取りません。生きた動物から取り出した腸がそのあとも動き続けることからもわかるように、腸の神経もぜん動運動も他の器官とは独立したものであり、同時に腸は免疫系やホルモン系も発達した器官なのです。それほど重要な役割があるにもかかわらず、構造上は非常に簡単なもの、腸のおもしろい点です。腸粘膜は「体内の皮膚」などとたとえられることもありますが、皮膚は何層もの細胞から成っているのに対し、原始的器官である腸にはそんな複雑さはありません。 by こんぴら天狗
2013年12月17日
「腸内腐敗を防ぐ」簡単な方法
悪玉菌を増やす最も大きな要因は、やはり肉食です。マウス実験でも、高脂肪・高たんぱくの食事を毎日摂らせると、腸内の発ガン関連酵素が増えることが確認されています。つまり、そのような酵素をつくり出す悪玉菌が、勢力を強めてくるということです。善玉菌と悪玉菌のバランスは、腸内のPHを左右します。胃には強力な胃酸が存在し、PHでいうと空腹時に1〜1.5程度の強い酸性に保たれていますが、小腸、大腸、直腸と、肛門に向かって下がるにしたがい、内部の状態は酸性からアルカリ性に傾く特徴があります。アルカリ性を好む腐敗菌には、格好の条件なのです。困ったことに、大腸菌(日和見菌)やウェルシュ菌などの悪玉菌は、腸内をアルカリ性にする作用をもっており、アルカリ化傾向に拍車をかけてしまいます。これにブレーキをかけるのが、乳酸菌やビフィズス菌に代表される善玉菌です。善玉菌は乳酸や酢酸などをつくり出しますから、腸内を酸性ないし中性にする力があるのです。乳酸菌生成エキスの成分が生きている菌ではなく、いわゆる死菌です。生菌には、他の菌を抑制するなどのメリットもありますが、免疫系の作用に関していえば、じつは菌が生きてるか死んでいるかは関係なく、そこに「菌がある」ことだけが問題だといえます。ただ、乳酸菌の難しいところは、その種類が極めて多岐にわたる点です。それぞれで性質や作用が異なり、ですから、すべての乳酸菌が健康にいいとは限らないのです。 by こんぴら天狗
2013年12月10日
乳酸菌で腸内腐敗を抑制する!
浴室や台所に、すぐにカビが生えてしまうのはなぜでしょうか。それは、そこがカビにとって格好の条件、つまり、適度な温かさ、栄養分(生ゴミなど)、水分がすべて備わっているためです。これと似たようなことが、私たちの腸内で起こっているのです。食べ物のカスや水分がたっぷりあります。また、腸内の温度は37度前後で真夏より暑く、細菌の増殖に最も適した温かさに保たれています。細菌にとって、またとない条件がそろっているわけです。汚れやすいは、腸という器官の宿命なのかもしれません。とはいえ腸内細菌は、私たちの生命維持活動おいて欠かせない重要なはたらきを担っていますから、むしろ棲んでいてもらわなければいけません。ただし、よい菌、善玉菌に多く棲みついてもらう必要があります。悪玉菌もすべてが悪いわけではありません。しかし、悪玉菌が活発になると、腐敗物質や毒性のあるアンモニアやアミン、発ガン関連酵素をつくり出す発ガン性細菌などが腸内に増殖し、それだけ健康を害するリスクが増えるのです。食物繊維がおなかにいいといわれるのは、そうした有害物質を絡めとってすみやかに体外に排出するからです。健康な人で、消化活動がスムーズに行なわれている場合でも、大腸にはいった食べカスが便状になって直腸に達するまでの滞在期間は、20時間以上といわれています。便秘をしていれば大腸にとどまる時間が長くなり、腐敗物質は腸内にどんどんたまっていきます。特に、免疫系の大部分は腸周辺に集中しており、腸を健康に保つことは免疫力を維持するうえで欠かせません。 byこんぴら天狗