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2014年05月29日

完璧なシステムあって、いまがある。

マクロファージの38億年のシナリオでの第二の山場、難関は水中から陸上へ生存の場所を移したことでした。ここで何が起こったのでしょうか。水中に生きる魚と私たち陸に生きるものを比較したとき、ひとつの大きな違いに気ずきます。内臓の量がそれです。魚はほとんどが筋肉組織で、消化のための内臓はごく小さな部分しか占めていません。人間は長い胴体をもち、その内部は内臓が占めています。適応の場所を広げたことによって私たちはこれだけの機能を必要とするようになったのです。上陸は画期的な変化だったことを示しています。生命系においては、上陸にともなってNK/T細胞系列はシステムを進化させました。リンパ球は、進化しても古いタイプのリンパ球を消してしまわず、必ず少し残しておきます。NK細胞は、がん化した細胞やウイルス感染細胞などの異常自己細胞を殺して内部を守り、胸腺由来T細胞は、外来抗原を敵として防衛します。こうして外来抗原向けシステムと内部異常監視システムが両輪として機能しはじめたわけです。マクロファージの働きを拡大したこれらのシステムは、遅滞なく適正に働いてこそ有効に機能します。この機能を全うさせている司令塔が自律神経です。自律神経を整えることこそ、私たちの健康のポイントです。
                          by こんぴら天狗
posted by 白樺のチカラ at 08:43| 岡山 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月13日

NK細胞知らぬが仏 がん殺す

一口に、免疫に関わるのはリンパ球と称されていますが、進化の程度によってNK細胞、胸腺外分化T細胞、胸腺由来T細胞そしてB細胞があります。これがリンパ球の代表的なチームメイトです。がんを殺す能力のあるNK細胞が発見されたのは20世紀の後半、1975年のことです。NK細胞はがん細胞のほか、ウイルス感染細胞も殺すことが明らかになりました。NK細胞は自分らしさを失った細部、いいかえると感染されて多少異質なものと化した自己細胞を排除するリンパ球といってもいいでしょう。細胞のがん化はすべての人に毎日起こっている日常の出来事です。細胞が増殖する機能をもつことに付随したごくありきたりの出来事なのです。それをNK細胞が殺して歩くのもまた日常の出来事です。このバランスがとれているかぎり日々是好日です。胸腺外分化T細胞は、思いがけない働きをしていました。これらは内部の異常を監視する免疫システムだったのですが、進化レベルの高いT細胞、B細胞は、ストレスや加齢によってつくられなくなる事態が起こります。そのとき、これらの進化のプロセスでは古いものに属するリンパ球が、かわりに働き出して身体を守っていたのです。つまり種々のリンパ球は、空間的にも時間的にも役割を分担していたのです。
                          by こんぴら天狗
posted by 白樺のチカラ at 08:16| 岡山 🌁| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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